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減塩のポイント

【味付けや調理の工夫で無理なく減塩】

高血圧の予防・改善で避けて通れないのが“減塩”です。
通常一日当たり13.5g食塩を摂取できるのに対し、高血圧の場合は10g未満となっています。

毎日意識せずに食事をされていた方には、一日10g未満の食塩量で3食というのは非常に難しいイメージを持たれるかもしれませんが、

・加工食品やインスタント食品は極力避けること、
・塩分の多い食品を把握すること
・調味料の塩分量の目安を立てること
・減塩食品(調味料)

を活用することでより分かりやすく、簡単に行うことができます。

調理をする上での減塩のポイントは、

①塩やその他の調味料の使い方を工夫する
②漬物や汁物の量に気を付ける
③タレ・ソース類はかけずに“つける”
④塩味以外の“風味”を効かせてメリハリをつける
⑤減塩食品の活用

などがあげられます。

①塩やその他の調味料の使い方を工夫する

焼き魚などを作るとき、振り塩をしてから焼くと、塩分が中に浸透し、実際に食べるとあまり塩分を感じなくなります。
食べる時にさらに塩を振ったり醤油をかけたりすると、摂った塩分も倍増してしまいます。
このような場合は、調理の際には塩を使わず、食べる時に少しだけ使用することで、少量でも十分な塩味を感じます。

②漬物や汁物の量に気を付ける

麺類を食べる時も汁やスープは飲まずに残すことで含まれる塩分の60%以上をカットできます。

③タレ・ソース類はかけずに“つける”

また、刺身やフライを食べる時は、醤油やソースは絶対に“かけない”ことです。
小皿に取って“つける”だけで、味はほぼ同じなのに使用する調味料は少なくて済みます。

④塩味以外の“風味”を効かせてメリハリをつける

味付けの仕方については、薄味を感じにくくさせる工夫があります。
塩を抑えた分、“酸味(レモンやお酢)・香辛料(スパイス)・うま味(ダシの風味)・油分(マヨネーズなど)”を加えることで減塩になるだけでなく味にメリハリがつき、一石二鳥です。
特にマヨネーズは濃い目の味わいの割に塩分量が少ないため、炒めものや和え物に使用すれば、調味料の使用がぐんと抑えられます。

⑤減塩食品の活用

⑤の減塩食品につきましては、現在非常に多くの減塩調味料が市販されています。
減塩醤油や減塩味噌、減塩タイプのダシの素など、使用料は通常通りで味わいも遜色ないのに塩分が約50%OFFなど、高血圧の食事療法には欠かせないものとなっております。
(一般調味料の食塩量や減塩調味料の塩分量等については、別表も併せてご参照ください。)

【一般的な調味料類の塩分量(食塩相当量)】単位:g

100gあたり大さじ1小さじ1
食塩99.117.85.9
濃口醤油14.52.60.9
薄口醤油162.91
味噌12.42.20.7
ウスターソース8.41.50.5
とんかつソース5.610.3
めんつゆ(3倍濃縮)9.91.80.6
めんつゆ(ストレート)3.30.60.2
ドレッシング(油分有)30.50.2
ドレッシング(ノンオイル)7.41.30.4
トマトケチャップ3.30.50.2
練りワサビ6.10.90.3
マヨネーズ1.80.20.07
コンソメ(固形・顆粒)43.27.82.6
だしの素40.67.32.4
カレールウ10.71.90.6
バターー(有塩)1.90.20.07

※これら調味料を料理に使用する際、大さじや小さじを使用することを習慣にすれば大体の塩分量の目安となります。
→例えば、冷奴やお浸しなどにかける醤油は、常に小さじで半分などと決めれば塩分量が明確です。

※ソースやドレッシングなど、タイプが違うだけで随分塩分量が変わってくる点は見逃せません。
普段ウスターソースを使用している場合は、とんかつソースに変えるだけで塩分約30%カットです。

※マヨネーズの塩分量の低さは注目したい点です。
しっかりした味や風味の割に低塩のため、調味料としてさまざまに使用していただきたいです。

上記に挙げている調味料のうち、普段よく使用する醤油や味噌、ソース、だしの素系には『減塩タイプ』のものが市販されています。
減塩を実行するにあたり、一通り揃えておくことをおススメいたします。

【市販の減塩調味料のご紹介】単位:g

メーカー商品名100g塩分量大さじ1小さじ1
味の素やさしお468.32.8
キッコーマン減塩丸大豆醤油8.161.50.5
味の素お塩控えめのほんだし213.81.3
味の素コンソメ 塩分控えめ26.44.81.6
味の素丸鶏ガラスープ塩分控えめ2851.7
カゴメトマトケチャップ 熟つぶ1.60.20.07
デルモンテケチャップ・ハーフ1.40.20.07
キッコーマン減塩デリシャス中濃ソース2.30.40.1
ブルドッグ塩分50%カット中濃ソース2.90.50.2
タケヤ減塩みそ5.20.90.3
ヤマキ減塩だしつゆ(3倍)5.310.3

※減塩タイプの調味料は、上記のような減塩ではないタイプと比較し塩分50%カットという仕様のものが多いようです。
減塩生活の強い味方と言えそうです。

※特に味の素社の“やさしお”は、減塩した分のナトリウム量をカリウムに置き換えているため血圧降下に効果的なカリウム摂取にも一役買うといえるでしょう。
食事療法の調理については、『量る』ことが面倒だと言われます。
この点については、計量スプーンを活用することで大部分が解消され、塩分量の目安も立てやすく、おススメしたい方法です。

普段よく使う調味料の大さじ・小さじ1杯あたりの食塩含量を把握し、表などにして活用すればとても簡単です。
(別表をご参照ください。)

【食塩を多く含む食品について】

減塩対策として、日々の食事・調理におけるポイントなどを述べてまいりましたが、外食やインスタント食品・加工食品など、塩分量の見えにくい食品は多々あります。

仕事柄、外食が外せない場合などでも塩分量は常に意識しなくてはなりません。
概ね外食メニューには多くの塩分が含まれています。

例えばラーメンやソバなどには約5-6gもの食塩が含まれています。丼ものでは約4gです。
これらを1食食べただけで、一日の約半分の塩分を摂ってしまったことになります。

また、加工食品やインスタント食品も要注意です。
特にインスタントラーメンには1食あたり6g近くの塩分が含まれます。
漬物類は4-5g、魚肉練り製品やハム・ソーセージ類は2-3g(100gあたり)となっています。

この数字だけ見るとあまりピンときませんが、『一日10g』を考えるといかに高い数値か実感できると思います。
(別表をご参照ください。)

【料理(外食)・加工食品類の塩分量】単位:g
※1食・1人前あたりでの塩分量です。

料理・食品名塩分量
そば(温かいもの)6
ざるそば3
ラーメン(醤油)5
かつ丼4.5
天丼4
魚の塩焼き1.5
カレー(ルウのみ)3
ハンバーグ4
塩サケ(1切れ)4.5
ロースハム1枚(20g)0.6
食パン1枚0.8
きゅうりのぬか漬け 30g1.5
即席カップめん(85g)5.9

※外食は極力避けたいところですが、表を参考に大体でも塩分量のイメージができることが理想です。

※インスタント食品については、避けることが可能です。
これらは塩分が多い・塩分を摂りすぎている という自覚に乏しい傾向があり、高血圧の方の食生活にとってマイナス点が多いです。

特にカップめんには“リン”という物質が多く含まれ、マグネシウムの吸収を阻害する特徴があります。
高血圧の方には必須のマグネシウムですから、この点からも極力避けたい食品であると言えます。

【まとめ】

高血圧の食事療法について、ポイントなど様々に記述してまいりましたが、やはり『減塩』の実行が一番の近道といえます。
病院で専門の治療を行っていても、日々の食事で減塩が出来ていなければ水の泡となってしまいます。

食事療法は、『知ること』『量ること』『外食を避ける』というのがとても重要なことです。
しかし、難しくて続けられないのでは意味がありません。
今回は、食事療法の壁を少しでも取り除くべく、日常に取り入れやすい工夫を主としてまとめてみました。
食事療法を続ければ、結果は数値として必ずあらわれます。
改善の兆しを目の当たりにすれば、より意欲もわいてくるものです。